本: 2009年11月アーカイブ

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
カズオ・イシグロ
早川書房

個人的に3冊目のカズオ・イシグロ。
予想外なSF的な話で少し驚いた。

読み始めた当初はなんのことかわからなかった「提供者」と「介護者」。次第に、丁寧な口調で描かれる子供の視点での人間関係。そして、「提供者」の正体とその行方。
科学の進歩の影に生まれた子供たちの現実。読んでいて結構つらくなる。

やっぱり「日の名残り」の方が好きかなぁ。

2005年度英国ブッカー賞、最終候補作品。

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))
ロバート・A・ハインライン
早川書房

「今日の早川さん」の影響もあるのか、最近はまっているハヤカワ文庫のSF。これは奥さんのおすすめ。

実際によんでみたところ、朝の通勤から読み始め、仕事が終わって家に戻ってからも止まらず、最後まで読んでしまった。かなりの傑作。特に後半はとまらない。

以前に読んだ「マイナス・ゼロ」と若干かぶるタイムトラベルの話。冷凍冬眠との組み合わせが新鮮。

奥さん曰く、これを読むと、猫をかった時の名前が決まるというが、まさにその通り。

17世紀にフェルマーが「私はこの命題の真に驚く証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない。」という有名な名言を残した最終定理。その難問に取り組む様々な数学者の苦闘、そしてついにワイルズが証明するまでのドラマを描いたノンフィクション。

フェルマーの最終定理を証明する際に、ワイルズが用いた様々な手法の概要を説明してくれているので、素人でも十分に楽しめる本。「谷村=志村予想」がこんなに重要だとはね。

ただ、本の中でも述べられているけど、フェルマーが実際に用いた証明はワイルズとは異なる証明方法であるはずであり、(もしも本当にあるのなら)どのような方法か知りたいものだ。

うちの奥さんが素数が好きな理由や数の魅力が何となくわかった気がする。また、「暗号解読」「ビッグバン宇宙論」など、Simon Singhの他の本も読んでみたくなった。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)
ジョージ・オーウェル
早川書房

1949年に出版されたジョージ・オーウェルによるSF名作。二十世紀世界文学の最高傑作とも言われる小説。

先日、職場のドイツ人に「今"1984年"を読んでいて」という話をしたところ、かなり盛り上がった。

1949年に書かれた小説ながら、内容としてはかなり現在の現実の延長線にある未来を描いていると思う。MGSでは「戦争は変わった」という言葉で語られるけど、この小説でも同様に、目的の変わった戦争、生産により労働者を養いつつも、戦争を続けることで生産された富を破壊し所有を防ぐという目的の戦争が行われている世界の話。

後半はなかなかつらく、読み終わった直後にはラストの意味が分からないけど、時間がたち何となくわかってきた。

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